どうしよう、見た目から美味しい……。
ミートソースとホワイトソースじゃないんですね。
牛ほほ肉はずるい。食べた過ぎます。食べます。
[切り分けて貰ったお皿を受け取りうっとりと眺めた後、空いている席を探す。
いつものカウンターにしようと振り返れば、乙坂も丁度接客に区切りがついたところだったか。
提案しようと開いた口は、彼の発した爆弾に固まることになる。]
……っ、あ、 ……えと、
同じものを……お願いします。
……一馬さん、と、同じのがいいです。
[確信犯の笑み>>155に、先程の彼>>153のように息を呑む。
次、とねだったのは自分だが、完全な不意打ちだった。
薄くなった鎧では太刀打ちできず、照れて伏せた瞼の下、揺れる瞳で返事をする。
それから小さな声で反撃を試みるも、心臓の音の方が大きくてちゃんと言えたのかさえ分からない。
完敗だ。白旗を上げるみたいにはにかんで、赤い顔を隠そうとカウンター席へ向かった。*]
(157) Pumpkin 2019/12/02(Mon) 22時半頃