[返ってきた答えは不明瞭で曖昧なものだった。>>142
言いにくいのかとも思ったが、様子からしてもそうではないらしい。自由気ままに旅をすれば忘れてしまうこともあるのだろう。行ってみたかったな、なんて思ったりして。]
そっか。それだけ長い間旅をしてきたんだね。こっちにも雪は降るけどヤニクさんの故郷ほどじゃないかもしれないな。
根なし草も悪くないんじゃない?多くの世界を覗けるし。絵の具で言うならたくさん色を持っているってことだよ。
[旅を続けたからか同じ場所に留まることを羨ましそうに言われ、不思議そうな視線をヤニクへと投げた。
いつまでもこの街にいるのかと十何間考えてはいたが旅に出る切っ掛けもなければ知識もない。実現の為のピースがないまま、憧れは憧れで終わっている。誰か一緒に行ってくれる人がいれば良いのにと思い。
見つめ過ぎていたことに気付いて少し目を見開いた。]
次会ったらとっちめちゃって良いと思うよ。
[既にされているかもしれないが、念には念を入れて。話のせいでまだ少し寒気が残った肩を掌で擦った。
どこかしみじみと呟く彼に頷く。思ったままを口にしただけだったが、何かを残せたなら嬉しかった。]
(154) 2014/05/12(Mon) 02時頃