あー……あー!
[鼓膜破れてンじゃないか、というのも、あながち的外れな不安ではないだろう。考える意味があるかはさておき。
再度、狙いを小さなバケモノに定めて――発射。やたらと反動が強い。そういえば、銃自体は想像程重くはないのだな。そのせいか、とまで考えて、コイツを再度出現させることは、恐らくなさそうだ、とも思う。
これで、1/2はこっちで始末したぞ、とでも言ってやろうと思った矢先、飛びかかってきた新たな一匹を、ストックで殴り付ける。
醜くひしゃげたその姿に、男は一つ学んだ。何も撃つばかりが手ではない。
どうせ、すぐに消えてなくなるモノである。大切に取扱う必要もあるまい。
そう知ったからには、試してみよう。持ち方を変え、大きく振りかぶる。鈍器のようにそれを振るって殴りつけた蛙は潰れ、数度ヒクヒクと足を動かした後、動かなくなった。
……蛙程度ならば、わざわざ自分の耳や肩を痛めつけることもなさそうだ。もう少し早く知りたかったものだが。
次の機会があれば、何を取り出すのが正解か。振り下ろしたままの姿勢で少し考えている内に、タイム・リミット。白い靄の中、燃えカスだけが残った。]
(152) 2015/03/09(Mon) 15時半頃