―ペラジーの部屋―
いや……、"護る者"の歴史は――常に、争いと共にあったと、聞く。
[己の識る歴史が語った内容は、血で血を洗う"人狼"と"人間"の争い。
護る者は、常にその中心にあり――、そして、最も多くの犠牲を出した一族、で。多岐に渡る血族の歴史、きっとペラジーの一族もそうだったのだろう、と。
それ故の思いもあるだろう。否定など、出来るはずも無かった。
そして、云うべきか、云わざるべきか。逡巡、後に]
……私、よりも。フローラを、護ってほしい。
恐らく私は、君にとって――…"護りたい者"とは、程遠い。
[詳細は語らなかった。恐らく、問われても黙しただろう。
己の身を危険に晒すことは、本意では無い。生き残らねばならぬから。
叶えねばならぬ、願いがあるから。
けれど、完全に黙したまま、というのも許し難く。
結果、曖昧な開示になってしまったけれど]
(146) 2012/05/26(Sat) 22時頃