―教会―
[教会に着くと、村長が既に話を始めていた。どうやら話始めたばかりのようで本題を話す前には間に合ったようだ。
コソコソと教会に入って辺を見回すとアイリスを見つけた。目が合えば手招きでもしてくれるだろうか?物音を立てないようにアイリスの隣に座った。
どうやらサイモンが――変人として有名だったので名前くらいは聞いたことがあった――何者かに襲われたらしいと。明らかに人間離れした所業で、しかし知恵を感じさせる犯行だったらしい。
話を聞き、震える声でそれでもクラリッサを気遣うアイリスに、大丈夫だよ、怖くないよと笑いかけるが、
『――殺される前に、殺さないと』
誰かのつぶやき>>110に凍りついた。
高まっていく場の熱気に、狂気に、しかし比例してどんどんタバサ感情を凍っていく。瞳には何も移さず冷めたように周りを見回す。
ふと、隣にいるアイリスのつぶやきが耳に入ってくる>>129。その言葉はスっとタバサの中に入り彼女の氷を溶かしてくれた。
震えるアイリスを強く抱きしめる。その震えが止まるよう強く強く
どうしようとつぶやくアイリスに、しかしタバサはその答えを持っていはいなかった]
(144) 2013/08/02(Fri) 20時頃