[恐縮せずに、との言葉には苦笑が漏れて。]
一介の使用人だなんて…ブローリン様と私のような新米庭師とでは同じ使用人でも天と地の差がありましてですね、今こうしてお声をかけて頂いている事すら夢ではないかと思う次第です。
[城に入った折に頭に叩き込んだ使用人権力図を思い描きながらベネットは語る。
それを聞いたブローリンはどんな反応をしたのだったか。
息切れが収まった頃、不意に名前を問われて、静まりかけていた心臓がどきりと跳ねた。>>94]
へっ!?
…は、名前、ですか?
あの、えっと…ベネディクト=ファトマと、申します。
に、庭師のベネットを呼べと申し付けて頂けましたら何処へでもすぐに駆け付けますので、雑用でもなんでも御用の時には気軽にお呼び下さい。
[声がうわずりながらも、なんとか名乗り終える。
ブローリンが確かめるように己の名を紡ぐ声には謎の感動を覚えつつ、続いた言葉にベネットは明るい顔で首を縦に振った。]
(134) 2012/01/11(Wed) 00時半頃