―3d回想―
[声をかけた二人組は、予想よりも友好的に受け入れてくれたようだ。
…不信というか心配が混じるのは、まあ、この格好では仕方ないだろうが。周りの目、と窘められれば少ししゅんとしたとか。]
…攻め、か。
[倉崎とアルの会話に、つい口を閉ざす。戦えなくはないが…そう不安が心を濁した。
不安とは、自身のサイキックについて。
未だに能力の発露がないことを言えば、なんと反応されるだろう。
手を振る店員に、笑顔で手を振り返えしながら、クレープにかじりつく。
なめらかなチーズケーキと、ブルーベリーの風味とまざりあい、絶妙なハーモニーを奏でる。
そうしてクレープを堪能しつつ、よければと、簡単に二人のサイキックについて聞いたかもしれない。
少女のソレは、その後すぐその目で確かめることができただろうが。]
影が、蝶に…
[歩き出し暫くしてのこと、目的地まで半ばの所。
異変を察知した倉崎が何かをサッと取り出すと、瞬く間に形を変える影たち。
埋め尽くすような黒蝶の群れに、息を飲む。
きっと聞こえるこの爆音も、他の参加者のサイキックなのだろう。]
(130) 2015/03/13(Fri) 22時半頃