[ーーと、思ったのだけれど。
扉の向こうから、どこか切迫した話し声が聞こえる>>118>>119。
ひとりはデメテルのもので、もうひとりは、聞き馴染みのない女性のもの。その声は、ひどく弱々しいもので。]
(けちんぼせんせーはどうしたの……)
[そこにセシルの声がないと分かれば、心の中で一つ悪態を吐く。別に彼が悪いわけではないのだろうけれど。
ーーだって、見過ごせないではないか。
それは、善意の心なんて美しいものではなく。
無視を決め込んだ後の罪悪感で、自らが醜くなるのが嫌、なんていう自分勝手なものであるけれど。]
……、どーしたの?
[ひとつ息を吐いて、ゆっくりと重い扉を開ける。
そこには、身を寄せ合っているデメテルと、見知らぬ女性。
どこか泣きそうなデメテルの頭をぽんぽんと撫でて、自らもしゃがみ込んで、彼女らと視線を合わせる。元気になってよかった、と、僕も大丈夫だから、と言う意味を込めて。
ぐったりとした様子の女性に視線を遣って、尋ねる。笑顔を浮かべているけれど、どう見ても無理をしているではないか。]
(130) 2014/06/26(Thu) 00時半頃