− プリムラの花咲く夜 −
[触れた感触はヒトのそれとはほど遠く、そして寝台に横になる姿も、同じ様に程遠い。
君の全てに触れたい、全てを見たい。と、全部盛りの披露>>119を魔術師がねだったのは少し前の事。
知らぬ人間が見れば卒倒しそうな姿の生物に愛おしげに手を這わせ、口付けて。
困惑を浮かべる瞳を見つけたのなら、セピアの瞳は楽しげに。]
なに、今更気付いたの。
[余裕の無い姿に目を細め、今日は此方が笑う番。
可愛らしく尋ねる声に肩を揺らして、けれど、手は止めてやらない。
自分だって男だし、好きな相手をどうこうしたいと言う欲はどうしても芽生える物。
いつもは叶わぬ事だとしても、しかし、今日はたまたま都合よく。
本当はずっと抱いていた欲をぶつけようと、これは彼にする願いの一つ。
君の全てに触れたい。全てを見たい。
君をもっと、知りたいから。]
(127) mzsn 2015/08/14(Fri) 23時半頃