― 鍋・オスカーと ―
ん…せやなあ。肉団子おいしいもんな。油分が鍋の出汁にしみだして雑炊したらめっちゃおいしい…
[湯気にあたると言われればわかっとたしー、と唇を尖らせながらばつが悪そうに言った。
寝言を忘れてくれるという返事に気をよくし、オスカーの考えていることなど知らずふんふんふーと鼻歌を口遊む。
鍋に向かって団を取るように手をかざす。
鍋がすき、最初のきっかけは両親だった。だがその後に、嫌いになった。最後の思い出なんかいらないから、家で一人でも寂しくないから、と寮に入ったころ布団の中で泣きじゃくったのも懐かしい。
また鍋を好きになれたのは皆のお陰。このひと時が、皆で鍋を突きあうのが好きでたまらない。
家族のようなものだと自分は思っているのかも。]
オスカーそんなに白菜すきやったん!?
[さもオスカーは皆の事が好きでたまらないと思っているのでそんな感想が口から出る。
ズレた反応をしていようと、気付いていない。]
(127) かの 2014/01/31(Fri) 16時半頃