―回想>>77>>78―
[自身ではあまり感じないものの、やはり体内で消えることなく燃え続ける炎は熱を発しているのだろう。
暖かいと言われれば僅かに目を細めて笑う。
“少年”は少年らしく、肩車を喜ぶようで。]
ぽっぽー。
[しゅっぱーつ、と言われれば、機関車の様に口から煙を吐き出して見せた。
そして、もう一人の少年が羨ましそうに彼を見ているのを見やると、口元ににやりとした笑みを浮かべる。
男の鋭い耳は、少年のつぶやきをしっかりと捉えていた。]
『へーんだ、うらやましくなんかないやい!
子どもみてー。』
[あぁ、この子供は、本当に子供なのだ、と、漠然と思った。
少年が男の事を何だと思っているか、どのような感情を抱いているかは分からないが、少なくとも。
敵意を向けられない限りは、男は少年の事も隔てなくかまってやることだろう。]
(123) 2013/11/17(Sun) 23時半頃