[天の者は、全てを救い続ける。
だと言うのに罪人を捌き清め落とすのもまた天の者の仕事の一つで、しかし救いや愛を主たる任務とする者達は、ついに捌きの仕事を拒んでしまった。
それでも誰かがやらねばならぬ。
誰かがその責務を果たさねばならぬ。
そして、黒はその為に産まれ落ちた。
天使でも無く悪魔でも無く、末席にその身を置きながらも、属する全てから外れ続ける異端の翼。
しかしそれでも、及ばぬ事が多すぎた。
人の罪を見るには、同じ人である方が手っ取り早い。
人を理解するには、同等の存在である方が望ましい。
其れ故黒は翼を焦がし、人の元へ堕ちていく。
全ては理解し、捌き、天へと無事送り届けるその為だけに。
現世と天国の中間である煉獄の世。>>84
其処は決して地獄では無く、
人が罪を洗いながし、悔い改める場所であると言う。]
(120) 2015/09/20(Sun) 20時半頃