[掲示板に書き込んで思うことはひとつ。
奇妙な本の返却をした友人のこと。
メールを確認するが、依然として返事は来ず。
豆か豆でないかと謂えば、返信は豆だったような。
自分以上に彼の方が獣人と接触している可能性は高く思えた。
半獣だとばれたら、半獣を匿っていると知られたら、
何処かへ連れていかれてしまうのではないか
国府に監禁されるだとか、追放を受けるだとか
リアルに考えるならそんな辺りが脳を掠めるけれど。
それとも、「ありえない」扉を開けてしまったことで
「ありえない」次元に呑まれてしまった、だとか。
神社で過ごしたあの日のこと。
鳥の羽音と木々の騒きに紛れ、狐の鳴き声を聞いた気がする、
――ああ、こうして半獣と生を共にしてしまえば。
傍に寄り添って、愛おしいと思ってしまえば。
獣に連れていかれるなら、悪くないかも知れない。]
(118) 2014/10/07(Tue) 20時半頃