[ふ、と話す間にも意識が飛んで行くのは悪癖のひとつだ。
やりたいことが出来たと、静かに熱意を燃やした北極星。>>55
勝負に出るのだと、笑い声の小枝を揺らした大樹。>>1:271
受けた以上の光を放つ、煌びやかな金色雀の一等星。>>50
迷うことを振り切った、決意の眼を持った夕陽。>>1:205
一回り上の年齢の癖、子供よりもガキな若年寄。>>70
ソリの設計図を描く手に、大事そうに握られた紐、>>1:271
難解で、温かみのある文字を生み出す掌に包まれた紐、
嬉しそうに結んだ紐を見せてくれた彼女らに胸を温め。>>62
押し付けた時の間抜け顔は、今となれば笑えてきた。>>1:220
こっそり忍ばせた紐は今頃気付いているのだろうか。
僅かに双眸を撓め、口許に自嘲の笑みを刷く。
温かい彼らから距離を取ってしまうのは、自分の因果。
共に笑い合いたいという願いは、流れ星でも叶えられない。*]
(117) 2015/01/26(Mon) 00時半頃