―引き続きの回想 >>44―
うん。
[ホリーの手に渡されたソレを見つめる。
なんとなく予想はしていたが、やはり量は少なかった]
ご飯作るところ、なかったもんね。
[むしろ食事を作る場所がないのに食べるものがあったことに感心しつつ、ソレを見つめる。
二つに分けてある、ということは、ホリーの分と、自分の分なのだろう。先ほどセシルは、いつ出られるかわからないといった。
つまり、出られるようになるまでに食べられるものはコレだけということになる。
そこまで考えて、クロは自分という存在が何なのか、改めて考えた。
自分は、ホリーのために存在している]
…私は、少しで大丈夫だから。
[仲良く分けよう、というホリーの言葉に、首を横に振って答える。
食料は限られていても、とりあえず水分は摂れるのだ。
水さえ飲めれば、食べるものは少なくてもしばらくは大丈夫なはずだと内心うなずいた。自分が彼女のために存在するなら、自分よりも彼女の食料を優先するべきだ]
(112) 2011/10/01(Sat) 11時半頃