― 自室 ―
[自室へ入ると、カタンと椅子に腰を掛けた。
そのまま暫くボーっとして。
廊下からバタバタと足音が聞こえ、向かいの部屋の扉が乱暴に閉められた音がした。]
……。
[顔を顰めてくしゃ、と頭を掻く。
溜息をつくとメモとペンをポケットから取り出し、机に向かった。
それから暫くして控えめなノックが聞こえると、ぱっとメモを咄嗟に閉じる。
そのまま扉の向こうから聞こえてくる声に耳を傾けた。
最後の謝罪の言葉まで聞き終えると、溜息を一つ零して椅子を軋ませて立ち上がり、扉へと。
そして静かに開き、妹を見ながら壁へと凭れかかった。]
非常識って、…別に兄妹が寄り添って寝たっていいんじゃねえの。
…それとも、お前の寝たいっつうのは”そういう意味”な訳?
[何を謝られているのだろう、と首を傾げる。
問いかけてみたのはただの冗談のつもり。]
(112) 2010/07/07(Wed) 22時頃