……なにさ。
[>>91かさり と空気の動く音と共に掛けられた声には 首を傾げながらも、薄く唇を開いて従った。
普段ならば何かと疑って掛かっては そう従う事も無かっただろうけれど――先の会話や、言葉を交わす居心地の良さや。それから子供に掛けるような 早くに家を出た自身には “焦がれど馴染みのない” 言葉も相俟って するりと開いた、口内に。
ころりと転がり込んでは、確かめようと噛み合わせた歯の下で 崩れて広がる甘さ。]
…金平糖、かね。
これで喉が善くなるって?
[まるで子供騙しめいた施しに、眉間に寄せた皺を解いては く、と笑う。
突拍子は無くとも、悪意こそ感じられない行為と その甘ったるさに、文句こそ言う気にはなれずに。
先の髪飾りと云い “あんたは慈善ごっこが趣味かい” などと、皮肉の一つは落としたけれど。]
(110) 2015/01/23(Fri) 20時半頃