―過去―
わあ!きれい!
[家族旅行先のお土産物屋さん。そこで見つけた、ペンダント。
ついているガラス玉は、子どもから見たら宝石と変わりなく。
青い石を見たとき、何故か、一番仲のいい女の子ではなく、よく外に引っ張り出してくれて、外に出たら今度は自分が引っ張って遊んだ、少し年上のおにいちゃんの顔が思い浮かんだ。]
ちょっときて。
[他の子たちにはお菓子をあげて、みんなが喜んで食べているあいだに、物陰に呼び出した。]
これ、あげる。
[お菓子を食べたかったのだろう。迷惑そうに、けどちゃんとついてくれた彼は、さしだした小さな紙袋を見て、驚いたように目を丸くした。]
おそろい。
[彼が袋を開け、中のものを取り出したのを見て、自分も、首にかけてトップを服の中に入れていたネックレスを引っ張り出す。
ピンクや赤は本当は好きだけど、「女の子の色」だから恥ずかしくて。だから、三番目に好きな、緑色の石を選んだ。]
(107) 2012/08/09(Thu) 09時頃