エリーさん……か、海外…行っちゃうんですよね…
[何事も無かったかのように、少しズレたの話題を持ち出す。
気が付けばいつものように、イカのようにナヨナヨとした話し方に戻っていたか。外はこんなにも寒いというのに、黒いジャケットは汗を薄らと吸いこんでいた。(因みに本日は、フードメルトンコートにスキニーパンツ。首元にはクロスのネックレスと小奇麗にしていた。けれどもほぼ黒なので、違いが解らないという残念具合。)]
……き、帰国した時は……ぜひ、遊びに…来て下さい、ね。
待っていますから。 ――貰いますよ。
[そう言うと拒まれなければ、粗大ごみのように高く積み上げられたキャンバス等の画材を抱える。割と重い。これが彼女が三年間歩んできて、そして燃やそうとした重み。]
さ、先に、追いコンに行っていて大丈夫ですよ。
俺は、ぶ、部室に一旦持っていくんで……
[ふと立ち止まる。振り返りもせずに。一言だけ。]
――…俺、美術部入って、……良かったです。
……エリーさん、俺、……漫画家なれると思いますか?
(97) 2014/03/07(Fri) 23時頃