クラスの打ち上げの後、俺の家に来いよ。
ああ、別に緊張しなくても、今日は親両方ともいねぇから。
[母親は流石に式には着ていたけれど、今夜はとあるイベントの手伝いがあるからと(ちなみに母親は、ピアノのセミプロ)、式後そちらに直行したらしい。父親にいたっては海外出張中。家族そろっての卒業祝いは父親が帰ってきてからとかなんとか言われていた。]
永池
[もう一度、名を呼ぶ。
それで振り返ってくれないならば、こっち見ろと言葉も付け足して。]
それ、やる。
あとで、お前のもよこせ。
[きらりと光を反射しながら放物線を描くのは―――制服のボタン。
もしかしたら、いつの間にか色々毟り取られた後だったかもしれないが、そうであっても密やかに確保していたそのボタンの箇所は―――言わずとも伝わるだろうか。]
(95) mitsurou 2011/03/06(Sun) 13時頃