ディーンか。入れ。
[重い木の扉を叩く音としわぶきの声に>>69、此方も鷹揚に応答を返す。]
先程屋根で騒いでおったのは、またオーレリアの処の小娘か。あやつ、そろそろ弱い三百歳になろう?いい加減空を飛ぶなぞ出来んのか。
[高所恐怖症なのだからそういう問題ではないのかもしれない。
女は先程より続けていた作業に目を向けたまま、腰掛けた背を振り向きもせず言を紡いだ。。
古びた石造りの陰気な城に相応しい、重苦しい赤の天鵞絨のカーテン、燻んだ色合いが重ねられた年月を思わせる彫刻作りのチェストや応接セット、天幕に覆われ薔薇が飾られた棺桶、それらが薄らぼんやりと、少ない明かりに浮かび上がっている――パソコンの、ディスプレイから。
よく見れば、如何にも古色蒼然とした室内の足元は、至る所にコードがのたうっていることだろう。]
(85) 2016/12/01(Thu) 16時半頃