─街を散策中─
[グロリアから届けられた声に、自分に対して屈託なく接してくれるメアリーが男を狙っているかもしれないという情報が混じり、わずかに溜め息を吐いた]
嗚、嗚呼……。勝負、無情……。
[メアリーになら自分の持つエッグをくれてやってもいいと思う気持ちと、チームメイトのグロリアのやる気に感化され、少しばかりこの争奪戦に対して前向きに挑んでいる気持ちが男の中でバトルしている。
とても密かに。いわゆる葛藤というヤツだろう]
[そうして街を散策している中、ふと見えた光景に男はギクリと足を止めた。
見えたのは迷子センター。街ゆく人々が、知人の子供を見つけては親元に仲介したりするのがこの街のいい所である。
しかし男にとっては鬼門である。
もしより多くの迷子と親を引き合わせろなんて言われたら、大きな手で顔を覆う事だろう]
[だって子供の前に立つだけで泣かれる男には、どうしようもない案件なのだから]
(84) 2014/03/20(Thu) 22時半頃