人狼議事

213 舞鶴草の村


【人】 見習い医師 スティーブン

[あれから暫く歩いて、漸く自らの店の前へと至った。

肆区と伍区の丁度間、橋の近くに薬師の店はひそりと構えている。看板も無ければ暖簾も無い。見ただけではそこが薬屋だとは誰も思わないだろう。
だが、それで不便をした事は無い。宣伝は多少面倒だが、質の低い客の相手をする方がずっと面倒だ。身分で分け隔てるつもりは無いが、客を選ぶくらいは良いだろう]

……ただいま。

[従業員は薬師ただ一人故、返事が返ってくる事は無い。故国へ帰れば迎えてくれる家族が居るが、今は未だ帰る訳にはいかなかった。
万病を治すという"あの薬"を見付けるまでは、未だ。

店の中へと進めば、薬瓶やら箱やらが所狭しと並んでいる。細い通路を進み、勘定場までくれば一つ息を吐いた。

客の常備薬が無くなれば、出向いて補充するのは確かに薬師の仕事だが、この歳になるとどうにも骨が折れる。いっそ人でも雇おうかとも思うが、異人の身である自分の店で働く者など居ないだろう。本当に面倒な事だ。

軽く肩に手を当て、ぐるりと腕を一回し。そうして鞄を開ければ、今度はそこに切れた薬を補充して。
それだけ済ませれば、一休みしようかと、勘定場である座敷へと腰を下ろした]

(81) 2015/01/19(Mon) 00時頃

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