[この獣の姿では喋れない。
故に、誰かの脳内に直接語り掛ける方法を使用するのだが――上倉には、それをしなかった。
彼を傷つけたお前とは、もう話したくないというようにちらりと赤い目を向けるだけ。
先ほど彼に張った闇の結界は、強い衝撃を数回受けると壊れてしまうだろうが気休めにはなるはずだ。
文房具類の攻撃なら、彼次第で長く耐えられるかもしれない。]
( 殺させへん。うちの命に代えてでも )
[胸を狙ったと思ったのに何故か腕を切り裂いたが、気にしている暇はない。
闇の刃を周囲に具現化させて、変わらず鳳と冬麻以外の人物に向けて四方八方へと飛ばした瞬間。]
――っ!?
[予想していなかった、冬麻からの攻撃を呆気なく食らう。
普段ならまだしも、光に弱い闇の力を纏っている状態ではダメージも大きく、呻き声を上げて数メートル後ろに下がった]
(65) 2014/03/24(Mon) 01時頃