[>>61響いた銃声は狙いが定められてない以上、掠りこそしなかったものの、潜んでいた棚を貫く。一瞬棚の影から見えたその姿と、掛け声のような声に――、水嶋の声だと判断して。
――それならば。
攻撃は此方からはせず、あえて『交渉』を持ち掛けてみようと。
そもそも刃物相手ならともかく、矢を一度打てばまた仕掛けるラグがある以上、銃には劣る。故に、出来るだけ相手をするなら銃弾を減らさせてからにしたかった。 ]
―――水嶋さん!
[ そう声をかけたのは、ボウガンをカーディガンに包んでデイパックに咄嗟に押し込みながら。武器は手に持たず、無害を装った声で、身を隠そうとする彼女を引き留めようと。 ]
……少し話をしません?手出しをする気は毛頭ありません。
[ 彼女の、もう一つの機会には知る事も無く。
デイパックだけは肩から下げながら、手ブラである事を示しながら――敵意は無い、と声を懇願するように装い。物陰から姿を現す。 ]
(64) 2014/06/22(Sun) 22時頃