−回想・広間−
キャサリン。
君はわかってない。ぜんぜんわかってない。
[同じテーブルに誘われ、それに応じて歩み寄りながら
大げさな身振りで、それとみて冗談とわかる口調で嘆いてみせる。]
いいかいキャサリン。
ここにプレーンなオムレツがある。[そういって手にした皿を掲げる。]
この見た目は美味そうな、もしかしたら本当に美味いかもしれないオムレツに、後ひとつ手を加えただけで、このオムレツは世界一のオムレツにも、豚も食わないオムレツにもなるんだ。君は豚も食わないオムレツにしたいのか?
[そう言って、また嘆く素振り。]
さあ、想像してるんだ。
このプレーン・オムレツが…もしもピッパの手に掛かったとしたら![嘆く真似]
[そう叫んでオムレツを食べ始めた。
随分と昔、ピッパの作った料理を実験台に食べさせられて以来の、嫌がらせだった。今の腕前は、どうだろうか。]
(63) 2010/02/19(Fri) 20時半頃