……は、
おまえが、それで良いのなら。
[結局投げ出された結論>>60に、わざと呆れたように溜息を吐いてみせながら、――断言されない答えには、確かに安堵した。
おまえが悪い訳ではない、と。
そう弁護してやりたい衝動は、弟からの憎悪を忌避する思考に掻き消される。
全てを弟に押しやって、自分ひとりが悦に浸ることもできたのだと、そこでようやく思い至ったけれど。
気付いた後でも、その選択をする気にはならなかった。
反省の色を見せない瞳>>61を見ながら、首をゆるく傾けて口付けを深める。
結局定まることなく巡る思考は、意識を弟にすり替えることで、無理やり振り払おうとしながら。]
…っ、ガーディ、
[僅かに空けた唇との隙間に、名前を呼ぶ声を落として。自分よりも短い髪に、指を差し込んで緩く撫でて。
恋人の真似事のような、それよりも性質の悪いこの行為に、けれどありきたりな衝動は伴わない。
自己顕示欲だとか、承認欲求だとか。そんな自分だけの願望達が、弟との会話で揺らぎ掛けた自身の存在意義が、――僅かでも満たされる、はずだったのだけれど。]
(62) 2014/07/05(Sat) 06時頃