私、ですの!?
[自分の目のことを言われれば、驚いたような声をあげて、目をまあるく見開いてしまう。
こらえていた涙はびっくりして引っ込んでしまう。
その言葉の意味が分かれば、今自分の視界は暗く閉ざされつつあるけれども、胸の中に仄かな光が灯って、小さな笑みを浮かべる。]
誰かを助けたりなんて、……もうできていますの!
さっきも躓いた私をフォローしてくれましたの。
それに、じぇーむすどのと写真も撮ってくれましたの。
それだけでも十分ですの。
でも、それがパピヨンさんのやりたいことなら……。
[にこぉっと満面の笑みで一つ頷く。]
是非お願いしますの!私の目が“見えるようになるまで”は、ずっと、ずーっと、ずーーーーっと、一緒にいて欲しいですの!
[少女はきっとこれから一つの嘘を吐き続けるだろう。
少女の目が何らかの手段で見えるようになったとしても、見えていないと言い続ける。
そう言い続けているうちはもしかしたらパピヨンが傍にいてくれるのではないかとそんな願いを込めて……――――]
(62) neige 2014/05/26(Mon) 22時頃