[ベルさまは、傍を離れた藤之助さんを一度見ておられたようでした。
視線が戻れば少しの驚きでしょうか。
そのような言葉の後に、続くのはまた否定の言葉でありました>>48
ご用意差し上げた座布団に座って頂けた事はとても、とても嬉しくあったのですが
ご自分を否定されるようなお言葉には、僕は緩やかに眉を下げてしまいました。]
僕はこの中庭で、もう長く花のお世話をさせていただいております。
咲いた花は、似たような色をしていても
同じものなんてひとつとしてございません。
たくさんあってありふれていても、弱々しい姿に見えても。
僕はどれも、美しいと思うのです。
[例え話は『花』ではありましたが、僕の伝えたいことは伝わるでしょうか?
ありふれた金髪だとしても、よく見る碧眼だとしても。
弱々しさを際立たせてしまうような肌の色だとしても。
僕は、人とは違う魅力なのだとお伝えしたかったのでした。]
(62) 2014/09/12(Fri) 20時半頃