[必死に息を整えている俺に優しく手を伸ばしてくれる人がいた。そう、柊子ちゃんである。]
おぉ…柊子ちゃんありがと。まじ助かるわ…手ぇ汚れてない?だいじょーぶ?
…えっタオル?いいの?まじかよ…天使。
[手を借りて立ち上がれば靴の中身に気が付き脱いで中身を取り出す。1個ほどの小石がざらざらと出てきた。こんなもんにしてやられたのか俺は…]
タオルありがとね。流石陸上部マネ。準備も渡すタイミングもばっちりだわー
今度ちゃんと洗って返すな。さんきゅ。
[ばっさばっさと手とジャージについた砂を落としてふわっふわタオルを受け取る。
なんだか柔軟剤のいい香りがする。これだけでも走った甲斐がありますわー
地面でのたうち回る姿がよほど見苦しく見えたのか、彼女は手を差し出してくれた。
なんだか遠くから鋭い視線が飛んできている気がするが
今はこの幸せに浸ることにする]
(60) 2016/06/19(Sun) 21時頃