ええ。
もうすぐ宵闇が支配しますけど…こんな夕刻から大勢は珍しいですよね。
[と、朧に語れば>>58茶請けに出てきたのは兎の形の練りきり。そういえば仲秋の名月はついこの間、街灯より美しく輝いていた月を思い出せば目の前の鳶色の瞳の友人を見る
月の名前を冠する彼は、春の夜の月の様にこまかで優しい気配りをする。自分の重苦しい墨色とは違い、柔らかな焦げ茶の髪が艶やかに肩に流れる様は名月に勝るとも劣らない
茶を飲む姿も洗練されており、その所作の美しさは若輩者の自分は友人として尊敬し、憧れてもいた]
そうなんですか。
丁度櫻子君が中庭で秋の苗と植え替えでもしようかとしていましてね。
その際見かけたんです。
[どこか嬉しそうな様子にこちらもへにゃり、と表情緩ませる。
淹れたてなのだろう茶は香り豊かでふんわりとしており、味わえば一言、美味しいと呟いた]
(59) 2014/09/12(Fri) 18時半頃