ああ、ヴェスパタインの手なら、きっと、安心して逝け。
…え?…は…?
[一緒に暮らさないか、と囁かれる。>>51まるで悪魔のささやきだ。いや、その見た目がではない。…その、抗いがたさが。]
お…
[お前はそれでいいのかよ。この施設には、来れなくなるかもなンだぞ?お前の職だろう?そんな、言葉は、相手は求めていない。求めて、いるのは…]
[ただ、ひとつ、顔を相手の胸に埋めたままこくり、とうなづく。縛られたかった。自由でいたくなかった。なんでも、好きな事ができる、誰の事も気にしないでいい。それは…とても、とても寂しい事なのだ。あの路地裏でも、この地下施設でも、自由だった、自由で、寂しかった]
後悔、するなよ…アタシが扱いにくいの、知ってンだろ…
[顔を埋めたまま、つぶやく。赤い顔を、隠すために]
殺しときゃよかったって、後悔しても、遅いからな…
そンときゃ、アタシの純情を弄んだ報いを受けて、貰うからな…
[ボロボロの上着よりも、直接に、重さが、香りが、入り込んでくる。心を縛る鎖が、とても、心地よい。離れがたい。]
(54) 2015/07/17(Fri) 02時半頃