[軽く湿らせたタオルで汗を拭い、制服に着替える。
教室に向かう途中、階段の上から何かが降ってきて頭に当たり、ぶすくれた顔を隠さず上を睨み付ける。
落ちてきた物は何やらくしゃくしゃになった紙らしく、
ゴミはゴミ箱に捨てろ、とぼやいて拾ったそれを投げ返した。
腕力も投擲の技量なんて全くないもんだから、
狙った先と全然違う方角に飛んで行ってしまったけれど
投げ返したことでちょっとくらいはスッキリ出来た。]
じゃあ、また昼にな。
[手を振って別れると、笑顔を振り撒いてくれる妹。
なんだ、天使か。女神か。この世界に残された最後の聖女か。
へらへらと緩んでしまった頬はすぐには引き締まらず、
席に着いても足をぶらつかせ、他人の椅子を蹴ってしまう。
暫くして、廊下を走る騒がしい音が響いて来ると、>>22
煩いのと身長への殺意をたっぷり籠めた目で睨んでやった。
なんであんなのが妹と同じクラスなのか、理解に苦しむ。]
(53) 2016/06/17(Fri) 21時頃