[細やかな仕返しは見事に成功したようで、固まったヤニクへしたり顔を向ける。>>43 唇に残った掌の感触がくすぐったくて、笑みは少しぎこちなかった。]
駄目だった?そっか…ヤニクさん男の人だし。
[首を傾げて頷く姿は嘘を吐いているようには見えないだろう。事実しか言ってないのだから当然だ。自分を見つめながら先程口付けた場所に舌を這わせる姿に鼓動が跳ねる。ヤニクから発するものが色香だということは純真な頭では分からない。何だか見てはいけないものを見ているような気分になるが、目を逸らせずにぼうっとした目で動向を見守る。]
ばか、じゃ、ないもん…!!
[言葉だけでの罵倒にようやく意識が追いついて来て羽をあべこべに動かし、テーブルに沈み込んだ。顔は木が冷たく感じるくらい熱く、頭から湯気が出そうだった。可愛いと言ってごめんなさい。でもそういう対抗心向けてくる所が可愛いんだよなとは言うに言えない。ちゃんと格好良い所もあるが、欲目というやつだろうか。]
ふふふ、冗談だよ。冗談。
[口ごもるヤニクを掌を見せて宥める。ヴェラに食事を作るついでに、テーブルに戻った時にヤニクの皿へ追加の肉を入れておいた。]
(53) 2014/05/18(Sun) 20時頃