[ 告げた御伽噺の問いの答えもまた、自身への子供染みた苛立ちとしての回答になれば。それを求めるように既知の、忘れる事が出来なかった時間を過ごした先輩へ。
落とされた糸を手繰るようにその手を取って、
“行方不明になってもいい”と告げた相手>>1:110に焦がれるほどに羨望を覚えて、
――乞うほど欲しいと思った。
……たとえ相手のその手を取るのが、端役に揶揄う己には荷の勝ちすぎた行為だったしても。]
……先輩。
[ “ここ”で夢を見たかったのは、自分自身だったのかもしれない。ただ、先輩と。
手放す事も到底できない為に、相手に自身を焼き付けたくて。掴みたくて。
欲しければと以前を反芻すれば、自然身体を建物の壁から離し、歩みを進める。僅かに標の落ちる視界に、一人だけを求め路地を鳴らした。
……乞う糸が千切れ、その先が―でもと。
己の我が儘に任せては。*]
(53) omusouu 2014/10/12(Sun) 02時頃