[振り返ったカイルは普段と変わらぬ笑顔を浮かべていて、シメオンは悔し気に唇を噛んだ。自分の頬を叩く指を掴んで、]
だからさ、こーゆーこと、すんなって前に……。
[へらりと笑うカイルにどうしてこんなに苛立つのか。頬にキスだなんて幾ら何でも無防備だ。同級生のカルヴィンにも愛嬌を振るまい、自分が呼べばひょこひょこと歩いて来て……、悔しいけども可愛い。可愛いのにそんな無防備だと心配になるだろう。
部屋に充満した酒の匂い。それに目の端で同級生や先輩達の酒に溺れた行為。僕だって多少可笑しくなったって目を瞑って欲しい、そんな自分勝手な事を思った。
掴んだ手を引き寄せて触れるだけのキスをする。唇と唇の。]
こういう事されたって……、文句言えないんだからな。
[ただ、シメオンの意識ははっきりしてたのだけど。
赤くなった頬もカイルにキスをしてしまったのも全部全部お酒のせいにした。]
(51) hal8000 2014/01/29(Wed) 23時半頃