−回想:シャワールーム−
>>23
「誰に買われれば幸福か」なんて分からないわ。
分かっていたら、私が先に積極的に買われているもの。
なぁんて……冗談よ。
[カルヴィナの身体に、適度に温かな湯をかけながら笑う。]
そうねぇ。どこから話すべきかしら。
貴女が「幸福だ」と思う所が「幸福な場所」なのよ、きっと。
私は貴女の住む世界は知らないから、何が幸福かなんて分からないわ。少なくとも、私はドレスを着ることに対しては、何の幸福も感じないもの。それが幸福ならば、私はあんな職業には就いてなかったもの。
欲しいものがあるなら、しっかり手を伸ばしてつかみ取ることね。場合によっては、貴女の「牙」を使ってでも。屋敷の奥で大人に守られた時期と、「大人」との違いは、多分そこね。
[カルヴィナの脚の間を、湯と指で丁寧に清める。娘が何か声を出しても、パトリシアは何も言わない。]
(49) 2010/04/08(Thu) 12時半頃