……暇なんやけど。
ここに来てうちを殺したろーとかいう勇者サマはおらんのかな?
[んー、と伸びをしてそう呟く。
あれだけ大々的に裏切り者告知をしたのだから、誰かしら来るものだとばかり思っていたのに。
くるくると扇子を弄んでいた手を止めて、扉の向こうへ目をやった。]
ま、ええか。
仕掛けてきたりせえへんなら、それで構わへん。
その代わり、死ぬ人間が増えるだけやからな。
[まさか他の者たちが、やってきた防衛側の者を仕留めている>>46など露知らず。
櫻子の影がぼこりと膨らみ、這いずり出てくる人のような姿をした真っ黒い"何か"。]
久しぶりの狩りやなぁ。餌はたくさんおる、好きなだけ食べて来るとええ。
――ただ、" "を傷つけたら……分かっとるな?
[びちゃ、と人によっては不愉快な水音のような音を立てて、屋上から飛び降り三階の窓ガラスを突き破って入って行くそれを見送った。
餌は自分たちの敵全体。ただ一人を除いて、アレは見境なく食らいに行くだろう。**]
(47) 2014/03/20(Thu) 18時頃