[>>6 僕の憔悴っぷりと違って、おじさんはいつも通り……ううん。
なんだかいつも以上に、背筋がぴんと伸びて見えたのは何故だろう。
憑き物が落ちた。って表現は言い方が悪いけど、間違ってもいないのかもしれない。あの場所の空気から多少離れて、心配ごとが減ったのかもしれない。]
…………うん。
急に、ごめん。……僕もまだ、落ち着けてないみたい。
[素直に謝って、返事がわりに一回だけ頷いた。
悪い生き物だとまだ思えないって、――おじさんも"喰われてる"筈なのに。
どうしてこんなに、落ち着いてるんだろう。
肩をあたためてくれる掌が大きく感じて、三角座りに顔を隠しながら、ひとつだけ文句を言った。]
……ずるいなぁ、おじさんの癖に。
[どうしてこんなに、頼りになる気がするんだろう。
――なんて、照れ臭いじゃない。口に出して褒めてやらないから。]
(44) kazanemind 2016/10/14(Fri) 01時半頃