あ、おじちゃーん。ついでにジュースも買ってくれない?これで、……おっと、
[煙草を買うために車を止めた叔父にさいふを取り出し、小銭を差し出す。百円玉が1枚と十円玉が2枚で120円分。手渡そうとしたそれは、しかし彼の手に渡る前に車内に落としてしまった。
慌てて拾おうとしたそのとき、頭上から降ってきた声に思わず顔を上げる。]
あ、晶くん!久しぶり。うわー、大きくなったねえ。今いくつ?
[言ってから、親戚のおばちゃんのテンプレみたいな台詞だなと心の中で突っ込みを入れる。手元を見ないまま小銭を拾いながら。硬貨が1枚、2枚、3枚……よし。
さあ財布を仕舞おうとしたそのとき、運転席の下に見えたのはきらりと光る百円玉。危ない危ない、拾い忘れるところだった。百円玉1枚、十円玉3枚を財布に戻し、再び財布をしまい込んだ。]
(44) 2016/07/16(Sat) 20時頃