[「待ってて!」という言葉を聞けばこくりと頷いて、彼女を待っている間に周囲を観察する。
皆どこか暗い表情に見えるのは今朝の出来事があったのだから当然だろう。それ以外に怪しく見えるところはない。
だけど、数時間後にはきっと誰かが食べられて、誰かを殺さなければいけない。
それはとても悲しいことで。
そんな思いを表情に出したくなくて、先ほどから話し込んでいるメオとトレイルの方に目を向ける。何を話しているのだろう。
「誰かを殺さなければいけない」という話だろうか。けれどそんな話を彼女に…?
何を話していたのかはわからないけれど、最後に彼女の顔が少しだけ明るくなったような気がした。]
お話は終わりかしら?
さぁ、行きましょう
[タイミングを見計らって声を掛ける。
部屋を出れば黙々と歩いて、鍵を掛け忘れていたことを思い出しながらドアを開ける。]
中に、入って。
[視線は俯きがちで、声は震えて。
ぐい、と彼女を押すようにして部屋へ入れれば抵抗されてしまっただろうか。
二人が部屋に入れば後ろ手に鍵を掛け、彼女に抱きつき胸に顔を埋めようとする。]
どうして、こんなことになっちゃったのかな…
(43) 2014/06/02(Mon) 13時頃