人狼議事

126 生贄と救済の果てに〜雨尽きぬ廃村・ノア〜


【人】 風来坊 ヴェラ

―回想/かつて、ヴェスパタインと2人の要請で―

 「お前が狼に育てられていたというのは、本当か?」

[今から、2年ほど前のことだろうか。
 対象を殺害した後の別れ際。ヴェスパタインにそう尋ねられたことがある。

 「覚えてはいないが、恐らくはな」。ヴェラはそう告げて、根拠を説明した。
 ヴェラの記憶は、アヴァロンに所属する魔法使いにと共に過ごしたことから始まるが。
 そうなのだろう、と自覚したのは、この供物を手にしてから。

 『白狼の毛皮』は、どこかで手に入れたという類の物ではない。
 かつて格闘魔法を使用していた時の供物、『闘者の襟巻』が変貌したもの。
 他の供物と合わさることにより、『使用者に最も適した供物』へと変化させる、特殊な供物との『合成』により。
 いわば、この供物は1つの中に2つの供物が存在しているようなものだ。

 供物の影響により、ヴェラの動きが狼じみてきたのも、そこ頃からか。
 育ての親は「お前は森で拾った」としか言わなかったが、『最も適した供物』が狼への変化であり、体質がそれに近づいていくのを実感した以上、自分の発祥は狼であったのだろうと、すんなり受け入れたのだった]

(42) 2013/06/15(Sat) 18時頃

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