[冷えたコンクリートに並べるのは持ち物全て。
濡れてしまった物、無事な物。それらを全て選り分けて、ダメな物は置いていこう。
湿った銃弾と煙草をその場にぶちまけて、だが土御門から受け取った閃光弾は問題無く鞄の中に収まったか。
そういえば、そもそも土御門が敵だったとしたらこんな物渡す訳ないよなと、一瞬でも疑った事を心の中で僅か、ほんの僅かだけ詫びて。
汚れたスタンドカラーの白いシャツに物騒なバッグとホルスターをぶら下げて、これでも普段より身軽なつもりだ。
立ち上がればまだ眩暈を覚えるものの、先程酷い状態じゃない。二丁の銃は少し重く感じたが、問題無く走れる程に回復している。
が、何故か回復が早いな。
どうしてだと首をひねってみても理由は分からず、甘い香りのまじない>>@1:5とは気が付かなかった事だろう。
さて、濡れたロングコートはどうしたものか。
捨てて行くにしては愛着がある。が、濡れたままではとんだお荷物。
っと、ああそうか。成程?]
七緒、ドライヤー。
[つまりはまあ、お前が乾かせと。
先ほどの彼女から受けた恩や気遣いを押しつぶすような発言を平気で吐いて、顔色は、すっかりよくなっている。]
(42) 2015/09/14(Mon) 04時頃