― 自室→ライジの部屋 ―
[部屋を出た頃には日もとっぷりと暮れていた。彼の事だ、眠りに就いてしまったかもしれないと思いながらも、唯一の上位者、その私室に辿り着き扉を叩く]
[迎え入れられたのならば、ライジの顔を見て話せる位置に落ち着いた後、まずは“その格好>>29で出ていくつもりですか”等と切り出しただろう。
応えがなければ扉には触れない。……けれど立ち去りもせず、内にも届く様にと気を払いながら口を開いた]
……参休には、最早還る所がありません。
[ここを出ると告げていたのに、食堂を出る際>>27ライジは薬の瓶に触れていなかった。
宵闇を追い遣る焔の鮮やかさ>>*9は、未だ瞼の裏に浮かんで来ない。けれどクランを出た所で、紅葉の記憶と共にあった片割れにもかつての主にも屋敷へも辿り着く事が出来ないと、己は心の奥で理解してしまっている]
ですから、ここにて御別れです。
[――そして二度と遭うことはないのだろう]
(38) vdspuren 2015/01/01(Thu) 14時頃