[目の前の相手から、自分の期待する言葉が返ってきた記憶なんて、殆どない。
だから今回もまたか、って思った。返された沈黙>>167に、若干の抵抗の意志を残して俯いた中で、微かに唇を噛み締める。
首に巻かれていく包帯が肌に当たるのが既に鬱陶しく感じ始めてる。
外すなと言われたそれは既に掻き毟ってでも取り去りたくなってるけど。そうする代わりに、力を抜いただけで顔に当てていたままだった左手で兄の頭をべしりと叩く事で我慢してやった。
喉を撫でる手の動きにぞわぞわ鳥肌がたったのが見えなくなったのは、まあ、よかったのかもしれないけど。]
っ…、
――いっ、てぇよ、
[散々無遠慮な言い分をぶつけておいて、突然あげられた声には僅かにびくついた。兄から直接的に大声を向けられるのは、きっと多分慣れてない。そんな所にも無意識の内の甘えが垣間見えるけど、自分でそんな事気付きたくもないし。
ただ驚いた事にも少なからずの怯えがあったのも悟られたくはないから、
双眸を微かに歪めて立てられた爪を咎める言葉のみ零す。]
(38) 2014/06/30(Mon) 02時半頃