―回想>>1:28チャールズ―
『いやいや。いつ何時彼岸に渡ってもおかしくはない年寄りです。
貴方のように「お若く」はないですから。』
[そんなことを言う相手には、くっと笑いをこぼす。
本当に食えない奴である。]
俺だって若くはねぇよ。もう…
[そう言って掌を眺める男の姿は、彼にはどのように映ったことだろう。
最盛期を通り越したこの体は、以前ほどの力も魔力も無い。
もう間もなく、この体は朽ち、今世を終えるのだろう…と男は漠然とながら、しかし確実に察していた。
それはこの冬のことになるか、次の冬になるか…おそらく今回と言うことは無いだろうが、男にとってみればあまり変わりは無いことだ。
今年の冬がせっかちだという相手に、男はゆるりと視線を上げる。]
せっかち…そうかね。
いつも、こんなもんだと思っていたが。
[男のいつもは当てにならない。何しろ、数えきれないほどの冬を超えてきたのだから…]
(36) 2013/11/20(Wed) 15時半頃