― 前夜の黄昏 ―
おう!
よってる!
[>>22酔っているかと聞かれれば、元気のいい返事が返ってきただろう。
怪しい足取りの中、ベッドへ引きずられながらもそう返して、酔ってる時は誤魔化さずきちんとアピールするタイプである。
静かに相槌を打つ相手に気を良くしていつも以上に緩みきった顔で喋りまくるものの、そのほとんどに内容は無い。
酔っ払いの話とはそういう物だ。
猿の尻尾を追いかけても『あっち』のブローリンは手の届く距離には来てくれず、それに対する不満もぼろぼろ零していたと思う。
まあ来てくれたからと言って何が起こるという訳では無く、酒臭い男から撫でまわされてしっぽを握られて、酒臭いちゅーが待っているだけなのだが。
注がれたグラスの中身に、
この酒、水みたいな味がするな?と首をかしげても、液体の色はさっき飲んだニホンシュと同じである。
つまるところ、透明。
そして――、]
(34) 2015/08/05(Wed) 14時半頃