けほけほ、…なんなんだもう。
[せっかく丈夫な肺を手に入れたというのに。わたしはうっすらと目に涙を浮かべながら、着物の袖で口元を覆って咳き込む。
煙で燻り出されたら、普通は風下の方へ逃れようとするけど、それを読んで待ち伏せしようとするのは簡単だ。だったら、あえて煙が立つ方へ向かうべきか。きっと、赤羽さんも同じことを考えているに違いない]
やせ、…がまん?
[我慢といえば、生まれてからずっと、我慢を強いられてきました。
そのしがらみから解放されるこの世界でなら、今さらどんな我慢を惜しみましょうや。
その前に赤羽さんが言ってた、破ったらどうなる、というのも不穏な響きを伴っているようで、一抹の不安が胸を過ったけれど]
できるほう、だと思うよ。
[好奇心が勝った。どこか悪だくみしている風のお姉さんのノリに、合わせることにした。*]
(34) 2016/11/18(Fri) 20時頃