[心強いだろうと、チャールズと昔からの馴染みであるジリヤの呟きに、うんと力強く頷いた。
薄氷色は、青年の視線を追うように白く化粧を施された時計塔をしばらく映す。
モノクロームの世界に、ジリヤがかけているストールの色が綺麗に映える。
ちらちらと白い氷の欠片が舞う中、時計塔を見上げるドリュアスの姿は、まるで一枚の絵ようで、透明感に溢れて見えた。
青年はそれを少し後ろから眺め、ほうっと息を吐き出した。
そうして注意をそらしてしまっていたからか、雪に足を取られ転びそうになっていれば、くるりとジリヤが振り返った。慌ててバランスを取り、何事もなかったかのように振舞うも、柔らかく降る自分を心配するような声。]
うん……、がんばる。
[妙なところで眠ってしまえば、冬眠ではなく永眠になりかねない。冷たくなってきている指先で眼をこするも、効果はあまりない。
不意に、ジリヤから伸ばされてきた手。拒むことなく眼を細め、おとなしく撫でられる。>>28]
(33) maru 2013/12/02(Mon) 22時半頃