[動物も植物も変わらない。
そう答えてくれたジリヤの声音はゆったりと。>>25どことなく愉しげで、青年はそれを反芻するように、あの樹は一体どんな夢を見るのだろうと。まつげの上にそっと乗った雪を払うように、ゆるりと瞬きながら少し思考を巡らせた。
浮かんだ心配事をそのまま口にすれば、澄ましたように笑われてしまう。>>26]
だって、冬になるんだから、
お医者さんもいにゃいかもだし。
[心配したっていいじゃないか、と少しだけ口を尖らせるも、すぐにふっと笑う。
ジリヤの声はこちらを揶揄するようなものではなく、むしろ温かいものが混じって聞こえた。それに悪い気はしない。
そんな心配をする青年のことを優しいと、そう感じるのはきっとジリヤ自身が優しいからで。それと、そうした思考は青年が常日頃共に過ごしている家族の影響もあるだろう。]
(31) maru 2013/12/02(Mon) 21時頃